柿の葉寿司総本家・平宗の吉野本店です。奈良吉野名産の寿司・柿の葉すしや鮎すしをお作りしています。

谷崎も愛した柿の葉寿司

株式会社平宗過去画像

由緒

柿の葉寿司の源流は「熟れ鮓」にあります。
これは、炊いた米で魚を包んで熟成発酵させ魚だけを食べるもので、発祥は東南アジアと言われています。

日本伝来後、室町期には、発酵期間を抑えて米飯も一緒に食べるようになりました。これを「早や熟れ」といい、発酵による酸味を楽しめて、かつ飯が食べられる状態にある頃合いを見計らって頂くものです。
鮨を食べ頃に頂けるよう、柿の葉で包んで小分けに保存するという人々の知恵から、柿の葉寿司は生まれました。

また、柿の葉寿司が奈良吉野の郷土料理となった由縁については、江戸中期、紀州の漁師が熊野灘の夏さばを塩でしめ、峠越えして吉野へ売りに出かけたところ、ちょうど村々の夏祭りと重なり、以来、夏祭りやハレの日のごちそうとして柿の葉寿司が振る舞われた、という言い伝えがあります。

『細雪』『痴人の愛』など数々の名作を残した昭和の文豪・谷崎潤一郎は、随筆『陰翳禮讚』の中で、吉野の家庭料理として柿の葉寿司を紹介しています。

その製法や味わいを詳細に綴り、「東京の握り鮨とは格別な味」「或る意味でわれゝの想像も及ばぬ贅沢」など、その美味を絶賛しているのです。

「食通」と呼ばれる作家や文筆家は少なくありません。森羅万象、人心の機微を言葉にする卓越した感受性が、食へも向けられたのでしょう。

柿の葉寿司 画像

賛辞

柿の葉寿司制作過程

製法の妙

鯖の薄切りをご飯に載せ、柿の葉でくるむ。すし箱に入れて押しをかける。この一見シンプルな製法に、実に奥深い意味がこめられています。

まず、柿の葉に含まれるタンニンには抗菌・防腐作用があり、鯖の身をしめる効果があります。

また、柿の葉の良い香りが生臭さを消し、魚の滋味がすし飯に移り、独特の芳醇な味わいを生み出すのです。

吉野一帯は全国的な柿の産地です。その柿の葉が、図らずも、食味・保存の両面に適した特性を持っていたことに、偶然を超えた、人の力の妙を感ぜずにおれません。

私たち平宗は、吉野山村の人々が受け継いできた、柿の葉寿司本来の姿を大切に守りながら、時代が求める味を追い続けています。その風雅な味を、ぜひご賞味ください。

谷崎潤一郎『陰翳礼讃』1ページ目
谷崎潤一郎『陰翳礼讃』2ページ目
谷崎潤一郎『陰翳礼讃』3ページ目

谷崎潤一郎『陰翳礼讃』
中公文庫『陰翳礼讃 改版』(中央公論社)より

参考文献

『すしの事典』(日比野光敏・東京堂出版)
『日本の郷土料理7 近畿Ⅰ』(石下直道ほか編・ぎょうせい)

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